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気になるあの先生 〜マイスターハイスクールCEO 松本先生〜

2022.08.30 更新

気になるあの先生、今回は株式会社能水商店代表取締役、兼マイスターハイスクールCEOである「松本将史先生」に1年B組の中村がインタビューしました。

中村:よく会社代表などで聞いた事がありますが、CEO って何の略ですか?

松本先生:一言で言うと「最高経営責任者」です。令和3年〜5年の事業期間で海洋高校が採択された「マイスター・ハイスクール事業」では、専門高校における企業や地域と連携した学習を推進する企業経営者等を学校管理職として学校に配置し、「マイスター・ハイスクールCEO」と呼ぶことになっています。学校には似つかわしくない呼び方で違和感ありますね。学校の最高経営責任者は校長先生ですよね(笑。

中村:学校には、校長先生や教頭先生などいらっしゃいますが先生の立場はどういう立場なのですか?

松本先生:地元企業や行政、地域と連携し、海洋高校の学習内容の特色化や、学習成果を地域の活性化につなぐための調整をする役割を担っています。実際の職場現場で求めらることを学ぶ環境を整えたり、地方創生の時代における専門高校の新しい価値をつくっていく役目でしょうか。

中村:先生は授業に出て下さってますが、何の科目を担当されたいますか?

松本先生:基本的に授業は担当していません。あくまでも外部との調整役なので、先生方も取り組みのなかで研修を積んで行って欲しいと思っています。3年食品科学コースの課題研究の商品開発の実習では具体的な指導にも関わっています。

中村:独立しようと思ったきかっけは、どんな事ですか?

松本先生:以前は教員として16年間この学校に勤務していました。授業の中で生徒たちと地元の鮭を活用できるように「最後の一滴」を開発し販売してきました。しかし、この活動で生じた利益は学校には還元されません。生徒が実際の事業を動かし、その利益を自分達の更なる学習活動に利用できる、そんな仕組みを作りたくて平成27年に糸魚川市と同窓会の協力のもと「シーフードカンパニー能水商店」を立ち上げました。平成29年までの3年間は教員と事業運営の「2足のわらじ」を履いていましたが、メーカーとしてお客様にしっかり商品供給していく必要性も高まり、退職して株式会社をつくりました。また、メーカーとして鮭の資源管理にも関わることで、生産から加工・販売までを自社で完結しながら、循環する鮭資源を活用した持続可能な事業づくりをしてみたいと思い起業しました。


中村:能水商店のネーミングのいきさつなどはありますか?

松本先生:株式会社化する以前、「最後の一滴」の製造販売事業は、同窓会である一般社団法人「能水会」に財務や会計をお願いし、「シーフードカンパニー能水商店」という屋号で活動していましたので、この名称を引き継いでいます。この地の水産振興を目的に設立された124年の歴史を持つ海洋高校のスピリッツを形にしたいという思いもあるでしょうか。ご存知のとおり「能水会」は寮の運営をはじめ、皆さんの高校生活を支えています。

食品化学を教える教員時代の松本社長

一部の社員は秋には鮭の捕獲をします。社長自らも。

中村:社員さんたちにはどんな事を期待していますか?どんな事を思ってますか?

松本先生:目的を理解して自分で考えて行動するということでしょうか。そこがなければ仕事は面白くなりませんね。


中村:最後に、海洋高校生に期待する事を聞かせてください。

松本先生:限られた3年間ですから、学校施設や先生、関係する人をフル活用していろんな事を学んでほしいですね。失敗を恐れない、ほとんどの失敗は自分が考えるより軽傷です。また新たな行動を起こせばいいんです。とにかくしつこく行動する積み重ねが大切です。頭で分かったような気がしても、体感しないと本当のことは学べません。自分で考えて行動することの大切さを学んでほしいと思っています。

新潟県立海洋高等学校 航海日誌 運営元:新潟県立海洋高等学校

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