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山形ユースサミットin鮭川村

2022.11.21 更新

水産資源科 食品科学コース 3年伊藤です。
11/12(土) 山形県最上郡鮭川村で、「鮭フィールドが育む鮭の文化と産業を未来に」をテーマに行われた「山形ユースサミット2022」のトークセッションに参加してきました。また、同日夜と13日に行われた「ワールドサーモンデー in 鮭川」にも参加しました。(右から4番目が私)

山形ユースサミット2022 in 鮭川村

私は、鮭魚醤「最後の一滴」の誕生エピソードや学校のアンテナショップができるまでの経緯、今取り組んでいる新潟魚沼地域の雪室育ちの乳酸菌ウオヌマ株を利用した「新潟オリジナル鱒寿司」の開発について事例発表をしました。

トークセッションでは、鮭川村の鮭漁をしている方や「森の保育園カムイキッズ」で子供たちに鮭を触れさせている活動をしている代表の方などのお話を聞きました。鮭川の鮭は、昭和30年代までは米1俵と鮭1尾が交換されるほど大変貴重な魚で、冬場のタンパク質源として重要な食糧だったそうです。

事例発表をしているところ

発表時間が限られているなか、内容をしっかりとまとめて聞いている人たちに分かりやすく伝えることの難しさを痛感しました。緊張している中での発表だったので大変でした。

ワールドサーモンデーin鮭川

ユースサミット終了後は鮭料理が振る舞われ、東京から来た大学生や尾花沢市地域おこし協力隊の方々、加茂水産高校の2年生と焚き火を囲んで食事をしながら談話をしました。サンプルとして持ち込んだ最後の一滴を皆さんに使って頂きました。

「美味しい‼︎キノコにかけて食べたら絶対に合う‼︎」
「最上鶏の焼き鳥や鮭汁とかにも合う‼︎」
「美味しかったから買いたいけどどこで売っているの?」

などのお言葉をいただき大好評でした。

翌日の早朝、鮭川のウライが設置されているところで鮭のふ化事業を見学しました。川底がはっきり見えるほど水が透き通っている中を遡上してました。鮭を失神させてからメスのお腹を押して卵(イクラ)を出して、メス1尾に対してオス2尾分を人工受精させていました。見学をして私は改めて鮭の命の尊さを実感しました。

鮭川のウライ

メスの卵を取っているところ

その後、鮭漁や鮭の加工で地域を盛り上げている「サーモンロードの会」会長の矢口さんの家で鮭川村伝統の「鮭の新切り(ようのじんぎり)」づくりの見学をしました。塩のすり込みの工程で『昔から塩をケチるなと代々言われてきたからケチらずに使うこと』と教えてもらいました。私も地元能生川の塩引鮭つくりにチャレンジしたいと思っているので、見学は大変参考になりました。

塩を鮭に刷り込んでいる

鮭の新切り(ようのじんぎり)のパック。塩引鮭をさらに乾かしている。

最後に、鮭川村で有名な大杉、別名「トトロの木」を見学してきました。
昔、新庄藩のお殿様が鮭川村に来た時、にわかに大吹雪に見舞われ、近くにあった大杉の木の下に先達の村人の案内で風雪を凌ぐことができたという大木です。トトロの形に似ている不思議な木でした。今後この近くの古民家が改装されて、観光客が休憩できる施設になるそうです。少しずつですが、こうやって賑わいを作り出していくんだなぁと思いました。

曲川大杉の説明をしてもらっている

倉庫を活用したお店視察in酒田

酒田駅の帰り途中、酒田港に隣接する飲食・物販、イベントスペースなどがある「SAKATANTO」を視察しました。この施設はかつて酒田港の倉庫として使われていた東埠頭上屋を改装してできたそうです。山形名物最上鶏の唐揚げや水揚げしてすぐの水産物を直接味わったりできるところでした。倉庫をオシャレにしたのが魅力的でした。今回、鮭川村にお誘いいただいた、鮭川村元地域おこし協力隊の松並さん(トークセッションの司会者)が運営に携わっています。

酒田港の視察 加茂水産高校の実習船(鳥海丸)

この2日間で、遡上したサケを活用するための様々な加工法があり、先人に知恵を活かした商品が沢山あることを学びました。また、伝統技法をもとに新しい商品開発にもチャレンジしている方々もいて、同じサケを活用する取り組みをする仲間として嬉しかったです。東日本各地で行われるサケの増殖事業が継続されるためにも、漁獲されたサケの魚体自体が有効利用されることはとても重要だと思いました。

市場としては大きくない「川鮭」ですが、関わる人の思いを繋いでいかないといけないと思いました。

山形県立加茂水産高校の2人と松並さんとのショット!それぞれプロジェクトが進展したらまた鮭川村に集まりたいです!

新潟県立海洋高等学校 航海日誌 運営元:新潟県立海洋高等学校

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