みなさん、こんにちは!
資源育成コース3年生です。
資源育成コース航海日誌の連載4回目は、私たちが普段実習を行っている「栽培漁業臨海実習棟」について紹介します。
栽培漁業臨海実習棟は、ヒラメやアカムツなどの種苗生産、増殖、養殖の技術を実践的に学ぶための大切な場所です。種苗生産とは、魚を卵から稚魚まで育てることです。ここでは、魚をただ飼育するだけでなく、観察、給餌、水槽管理、成長の記録など、資源育成コースならではの学びを行っています。
海洋高校の実習では、天然の海水を使って海水魚を飼育しています。実習棟で使っている海水は、能生漁港内からポンプでくみ上げられ、常に新鮮な海水が水槽へ送られるようになっています。海の近くにある学校だからこそできる、とても恵まれた環境です。
能生漁港にあります!
こちらが栽培漁業臨海実習棟です!
ここからは、実習棟の中にある水槽や、そこで飼育している魚たちについて紹介します。
まず紹介するのは、実習棟の中でも大きな16トン水槽です。この水槽では、2歳になるヒラメを飼育しています。海洋高校では、毎年5月ごろからヒラメの卵を育て、仔魚、稚魚、成魚へと成長させながら、種苗生産や飼育管理の技術を学んでいます。
16トン水槽です!実物はとても大きいです
2才魚のヒラメ
このヒラメは、受精卵から実習を通して育ててきた魚です。日本海は冬に荒れる日が多く、ヒラメが獲れにくい時期もあります。そのため、海洋高校で育てたヒラメを冬の時期に地元の飲食店などへ出荷することで、地域への安定供給にもつながっています。
次に紹介するのは、7トン水槽です。ここでは、1歳のヒラメを飼育しています。このヒラメたちは、私たちが昨年、卵から育ててきた魚です。1年間の実習を通して、ヒラメの成長を観察してきました。魚が大きくなっていく姿を見ると、自分たちも実習を通して少しずつ成長しているように感じます。
また、昨年は資源増殖を目的として、水槽で育てたヒラメの一部を放流しました。資源増殖とは、海の生き物の数を増やすための取り組みです。放流するヒラメは、体の色や状態を確認しながら選別します。色の薄い個体などは、自然の海では外敵に見つかりやすくなることがあるため、選別も大切な作業です。ヒラメに直接触れながら行う作業なので、緊張感もありますが、楽しい実習の一つです。
5トン水槽です。よく様々な魚類を飼育しています。
ヒラメ仔魚。肉眼ではとても見えづらいです。
ヒラメ仔魚の拡大写真です。口が開き、ワムシを食べています。
続いて、5トン水槽を紹介します。この水槽では、ヒラメの種苗生産を行っています。5月に受精卵をいただき、現在も育成を進めています。ヒラメは、卵からふ化したあと、成長の途中で体の形が大きく変化していきます。その変化を毎日観察できることは、とても良い経験になります。
5トン水槽は数も多く、ヒラメの種苗生産だけでなく、ヒラメの成魚を使った摂餌実験や、トラフグの飼育などにも使われています。水槽ごとに目的が違うため、管理する時には「何を育てているのか」「どの段階の魚なのか」を意識することが大切です。
次に紹介するのは、シオミズツボワムシ、通称ワムシの培養水槽です。ワムシは、魚が仔魚の段階で食べる小さな動物プランクトンです。大きさは0.1ミリから0.3ミリほどで、ヒラメやアカムツの仔魚にとって大切な餌になります。
5月から7月ごろまではヒラメの仔魚や稚魚のために、9月から11月ごろまではアカムツの種苗生産のために、ワムシを培養しています。魚を育てるためには、その魚が食べる餌も育てなければなりません。小さな生き物を安定して増やし、魚の成長に合わせて管理することも、資源育成コースの大切な実習です。
最後に紹介するのは、パンライト水槽です。パンライト水槽は、容量が1トンの水槽で、クサフグやアカムツの種苗生産、クサフグの研究、アカムツ成魚の飼育などに使われています。
アカムツは「ノドグロ」とも呼ばれる魚です。海洋高校では、アカムツの資源量を増やすことを目的に、大学や地域と連携しながら、採卵、種苗生産、放流に関わる実習を行っています。また、アカムツの完全養殖にも挑戦しています。
完全養殖とは、人の管理のもとでふ化した魚を親まで育て、その親から卵をとり、さらに次の世代を育てていくことです。つまり、魚の一生を人が管理しながらつなげていく技術です。とても難しい取り組みですが、資源を守り、これからの水産業を考えるうえで大切な研究です。
クサフグです。研究のために飼育しています
こちらはトラフグです。
こちらは稚魚から育てているキジハタです。先輩方から引き継いで育ててます。
栽培漁業臨海実習棟では、天然の海水を使いながら、さまざまな海水魚を飼育しています。ヒラメ、アカムツ、クサフグ、トラフグなど、それぞれの魚に合わせた管理が必要で、毎日の実習には学ぶことがたくさんあります。
魚を育てることは、ただ餌をあげるだけではありません。水を管理すること、餌を準備すること、成長を観察すること、記録を残すこと、そして地域や海の資源について考えることも含まれています。
私たちは、この恵まれた実習環境の中で、魚を育てながら、海の未来について学んでいます。これからも毎日の観察を大切にしながら、種苗生産や増殖、養殖の技術をしっかり身につけていきたいです。
次回の記事も楽しみにしていてください!
